何が伝えたいんだ、この映画は...。

　なにはともあれ、パクリなのは疑い様がない。パクるのなら、パクリ元を凌ぐ事が、せめてもの誠意というもの。これは足元にも及んでない。それ以前に「パクりました」と素直に認めるべき。こんなパクリ映画がウォルト・ディズニー生誕100周年記念作品では、この先のディズニー作品はたかが知れてる。ウォルト・ディズニーもうかばれまい。

　第一、ディズニーが伝えたかった夢やら愛やら正義やらってのは、こんな安っぽいモノだったのか。どう見てもそんなものは２の次。

　「こんな絵を入れたい」から始まった様なストーリー、次から次へのCG技術の試し切り、ネタ帳から拾ってきた様なドキドキハラハラ展開のオンパレード。その辺の３流ハリウッド映画となんら変わりない。しかも「実写を凌ぐリアリズム」と「実写じゃないんだから許してよ（テヘ）」を都合よく重ねてる様に受けてとれる。あまつさえ王道的古臭さには「ディズニーだから許してよ」なんて腐れ根性まで見え隠れ。

　夢やら愛やらって核をより的確に伝える手段としての、ストーリーであり技術であり展開であるはずが、これでは本末転倒。こんな作り手の良心の無さがそのまま作品に反映している。それでもエンターティメントとして成り立ってれば、まだ許せるがその点においても眠気を誘う半端な仕上がり。何のために作ってるんだ...。そんなに器用さや道具の上手な使い方やストックの多さをひけらかしたいの？

　ディズニーは、いつのまに他人の作品を意識しすぎの臆病者集団の巣窟になってしまったんだろう。夢やら愛やらを堂々と形にしなさいよ、あんたらは。こんな作品は誰もディズニーに求めとらん。

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　※ 正鵠〔せいこく〕 （1）的（まと）の中央の黒点。くろぼし。 （2）ねらいどころ。急所。要点。