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[コメント] アメリ(2001/仏)

くるおしい。
オノエル

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







■二度目の鑑賞にして気づいたのだが、アメリはとても狂おしい。はじめから彼女は、他人との関係を恐れているのではない。むしろ、とても過剰に、すべての友人たちとの関係性を求めるがためにああいった手の込んだ斬り結び方になるのだ! 怖がってはいない。求めるあまり、ついついヘンになるのだ。これは自分にとっては発見だった。はじめは涙なんか出なかった。

■狂おしいほどに求めていた関係っていうのは、実現してみると、意外に落ち着いてしまうわけで、それはあらゆる恋愛の宿命です。アメリにとってもそれは同じですが、あの子はそれによって「現世の安らぎ」を得たわけです。ちょっと寂しいけどそんなのは第三者(てゆーか観客)の勝手な期待なわけで。

■だからこそ幸せそうに二人乗りするシーンで映画は幕となるわけですよ。はじめは気がつかなかったが、凡庸に見えるあのシーンは完璧だ。

(※日本人なんかの馬鹿な監督ならば「わたしはみんなととっても深く関わりたいの!」なんつって語らせて自己満足してしまうところを、あんな風に表現するなんてジュネはえらいなあ。)

(評価:★4)

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