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[コメント] 家族のかたち(2002/英=独=オランダ)

決して形は丸くないけれど・・・
スパルタのキツネ

シャーリー(ヘンダーソン)と同棲中の気の弱いデック(エバンス)。2人は愛し合っていた。しかし、全国放送のTV番組でデックは無様にプロポーズに失敗してしまう。これを観た、数年前に家族を棄て犯罪に身を染めた家出人ジミー(カーライル)は、シャーリーは自分のことを忘れられないでいると思い、家族の元に戻ろうと決心する・・・

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シャーリーと同じ通りに棲む、(こちらも)別居しながらも信頼し続けるジミーの姉夫婦の描写が良かった。何でもはっきりと言う肝っ玉かあちゃんの姉と、いつまでも夢を追い続ける売れないカントリーシンガーの旦那。この夫婦が自分のスタンスを崩さず、中立の立場でデックとジミーに接していたのは好感が持てる。

シャーリーの娘役のフィン・アトキンスの表情もかわいらしい。主演の3人はいつも通りの役柄だけど、今まで脇役の多かったヒロインのシャーリー・ヘンダーソンが、堂々と悩める女性を演じるのを観れたことも本作の収穫。

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長年一緒に暮らしていれば、どこの家族も何かしら痛みを抱えるだろう。ただ、多くの場合、感情を抑えることでその痛みを覆い隠し、“丸く”収めてしまう。それはそれで家族の営みなのだろうが、その分、それぞれの家族固有のかたちを失い、家族の絆を薄めてしまうことになるのかも

(評価:★4)

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