[コメント] ゴジラ FINAL WARS(2004/日)
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ラドンがニューヨークに、アンギラスが上海に登場した時には、懐かしいー! そしてかっこいいー!と体が震えました。摩天楼をラドンが飛び交い、上海タワーをアンギラスが薙ぎ倒す、絶妙な組み合わせですね。 それにしてもモスラの最期はちょっとショックだったな。
吹き替えながら、こてこての外国人が日本語を話す映画はなかなか新鮮。ゴードンさんは滅茶日本人してるし。やっぱりゴジラは日本人が創造した、日本人が立ち向かう、日本人の為の怪獣なんですよね。
米軍が出動しない、ラドンの「飛行」でやられたい放題のニューヨークもこのご時世あっては大胆な描写。
ニューヨークと言えば、出張中の宝田さん、犬のクリントがいないと駄目って、もしかしてクリントン元米大統領のことですか?(イーストウッドかもしれないけれど・・・) するってっと、怪獣とミュータントをマインドコントロールするX星人はブッシュのことですかい?
初代ゴジラが占領軍(GHQ)から解放された年に製作されているように、「ゴジラ」はアメリカナイズされた日本を風刺した反米的一面を強く持った映画なんですよね。米軍に依存せずに国防に自ら立ち上がる日本人(地球防衛軍と名はついているものの明らかに日本文化がベース)。イスラム諸国の文明は一切破壊してないように、本作はそのテーマも踏襲していたようだ。
演出の面では、冒頭でゴジラに光線?を発射したのが若き日のゴードンだったとの設定は、通常なら冒頭の南極のシーンのあとに何十年後とテロップを入れて現在を描くところなのだが、そうせずにまるで同じ年代かのように描き、「あれは俺だ」とのゴードンの一言で時の流れとゴードンの人格とキャリアを感じさせる、意外なところでうまい演出だった。
それから、X星人よ! 地球人のミトコンドリアが必要だなんて、それぐらいクローンで何とかしろよい! あと、南極のお笑い?2人組は見せ場が無さ過ぎて、かえって印象に残る。
更に、どうでもいいことですけど、(南極も含めて)今回破壊された都市はメジャーな国際マラソン大会があるところばかりなんすよね(那覇マラソンは丁度鑑賞した日に完走)。半分は完走済みなのでよく覚えている景色がいくつか含まれていたのですが、あのセットはたいしたものです。何時間もかけて完走した都市が、いやもとい、何日もかけて創ったであろうミニチュア都市が、一瞬のうちに壊されるのはなんとも勿体無い(いい意味で)。
敢えて小言を言うなら、本作はゴジラシリーズの最後を飾るには1作限りの記念祭のような印象を受け、久々に観た人や、初めて観た人が、思わず旧作を見返したくなるようなポテンシャルを感じさせ無いのが残念と言えば残念。
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