ジェット・リーのアクションは凄い。本当に凄い。天津にいるまでは非常に見応えがあった。　だから私は凄いままで終わってほしかった。　ブルース・リーの『怒りの鉄拳』は、最期まで（日本と）闘っていたし、何度観ても鳥肌の立つような真剣さが伝わってくる。この感覚が本作には無い。

天津を出てからのジェット・リーは、『ラスト　サムライ』のトム・クルーズと渡辺謙の役柄を足して２で割ったような感じがする。里のヒロインの笑顔を写して終わるのも小雪っぽいし、原田眞人なんてまんま同じ役柄でしょう。中村獅童の扱いが良すぎるし、原田の役柄も日本悪ではなく、安易とも言える映画的な「必要悪」なんですよね。　日本を立てすぎてないっすかね。

今のご時世に「犬と中国人お断り」と日本人が書いた看板を映画に出せないのは判るけれど、包括的に「善」とするのは生易しいのではないでしょうか？