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[コメント] 2001年宇宙の旅(1968/米=英)

キューブリック監督的人類進化論。
スパルタのキツネ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







以下は、自分なりの本作の解釈です。

<<人類創世>>

 モノリスに遭遇し、骨という「道具」を与えられた猿人。骨を宙に放り投げ空を見上げる彼の視野は、それまでの2次元の世界から、空を含んだ3次元の世界に広がったことだろう。

<<400万年後、月面へ>>

 地球の重力を克服し、遂に月に到着した人類。人類がそれ以上の宇宙を冒険するには、時間(=寿命)という新たな次元の壁があった。そんな人類を待ち受けていたのは、400万年前、人に3次元の世界を授けたモノリスだった。モノリスは強い電磁波を発することで、人類を木星へと誘った。

<<木星、そして無限の世界へ>>

 人工知能HAL9000の反乱後、生き残ったボーマン。モノリスは彼を時間を超越した世界に導く。そして、彼に自らを無限に再生する能力を授けるのであった・・・

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<<印象に残ったシーン>>

 猿人の描写。冒頭の猿人をほかの動物とごく身近な存在として描いているところに、人類が道具を手にしたことの意味を感じた。

 宇宙船内の重力操作。今では当たり前の感覚だけど、公開当時、重力を克服した人類の描写は、観衆にはさぞかし魅力的に写ったことだろう。

 冬眠中のクルーの最後。棺の中の死体のようだった。人の知恵などはその程度だということか。

 ラストの胎児。よくみるとボーマン宇宙飛行士のような顔をしていた。

<<感想>>

 本作、最初に見たときは、キューブリック監督の作品では初物だったためか、チンプンカンプンだった。再見にあたり、自分なりの解釈を試みた。何これ?が、素敵なパズルのようなSF映画に変わった。

 「人類の進化は、技術の進歩によるのではなく、未知なる力による」とのキューブリック監督のメッセージを感じた。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (5 人)chokobo[*] ギスジ[*] m[*] さいた いくけん

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