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[コメント] PERFECT BLUE(1997/日)

リンチ風味のサスペンスを「今監督」風にアレンジした為、良さと悪さの両面を感じる。
スパルタのキツネ

東京ゴッドファーザーズ』があまりに面白かったので、まずは今監督の監督第一作にあたる本作を鑑賞。オープニングのスタッフロールでキャラ原案が江口寿史だったことに大きく納得。そういえば、東京ゴッドファーザーズも所々この流れを汲んでいたような気がする。

ストーリー的には繰り返される倒錯にくどさを感じるものの、随所にデビッド・リンチを彷彿とさせる描写と効果音があり、構成を楽しむことが出来る。特に車のボンネットを閉めるシーンでの効果音と状況のスイッチングは、『マルホランド・ドライブ』のBLUE BOXとほぼ同じ。両作共に「BLUE」を絡めているのは偶然でしょうが、このようなセンスは私の好み。

しかし、他の多くの監督と同じように、リンチ監督とは異なり、解釈を鑑賞者に委ねるようなことはしないため、サスペンスに辻褄あわせの必要が生じ、ストーリーは冗長となり余韻は残らない。 この点、アクティブな人情ドラマの構成とし、人間関係の辻褄あわせを見事に演出した『東京ゴッドファーザーズ』は、今監督の良さが十分に発揮されていたと思う。 ただ、本作を鑑賞した後の私としては、今監督のサスペンスで余韻に浸れるものを観てみたいと思う。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)DSCH わっこ[*] ゑぎ[*]

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