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[コメント] ブラックホーク・ダウン(2001/米)

墜落するヘリコプター(ブラックホーク・ダウン)。一体、何の為に墜落したのでしょうか?
スパルタのキツネ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 ヘリコプター、機関銃、RPG、赤外線スコープ、インスタントコーヒー…、人間は様々な発明をしてきました。

 そして、人は虐殺と戦争も発明してきました。

 何故、人は虐殺・戦争を発明する必要があったのでしょうか?

 何故、撃たれて墜落するようなヘリコプターを発明する必要があったのでしょうか?

 本作には、テーマが虐殺に対する戦争だけに、そういったメッセージを期待して望みました。

 戦闘後の2人の兵士の台詞「仲間を助けるためだ。」「何も感じない。」に 監督のメッセージがこめられていると思われます。

 命令されるからやる。みんながやるからやる。仲間が行くから行く。  深い考えなんかない。こっちは疲れてんだ!

 戦争も虐殺もこうして始まるということでしょうか?

 また、アイディード将軍が暗殺され、サム・シャパード演じる将軍がその後引退したとのエピローグには、(平和の訪れよりも、)新たな混乱の始まりを感じさせるものがありました。

 しかし、いずれのメッセージもラストの10分以内の出来事で、アメリカ主体の戦闘シーン(サム・シェパードがシュミレーションゲームをしているかのようだった)にとってつけたようで、どうにも映画としては好きになれませんでした。

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<<虐殺・戦争・テロリズムについて>>

 虐殺・戦争・テロリズムは、日本の歴史のターンニングポイントで重要な役割をにないました。

 織田信長は、宗教集団(比叡山、一向宗等)を大量虐殺することで、政教分離を確立しました。そして、明智光秀に暗殺されました。その光秀も秀吉に討たれました。

 秀吉もその晩年、朝鮮出兵で大量殺戮をし、その後、徳川家康の開府した江戸幕府も、島原の乱で島原城に立てこもった4万人のキリシタンを処刑しました。

 幕末には、高杉晋作と伊藤博文の一派は、「攘夷」を名目に英国大使館を焼き討ちしましたし、薩摩藩は大名行列を正面で見物した英国人商人に切りかかり、逃げ行く商人に「武士の情けとして」とどめをさしました。

 以上は、日本史上の英雄といわれている人達の虐殺・暗殺・テロの一例に過ぎません。

 戦争に至っては、日本史は戦争の歴史ともいえます。

 私は、決して虐殺・戦争・テロリズムを肯定するものではありません。

 しかし、虐殺・戦争・テロリズムが人間のもつ不幸な可能性として、今の平和な日本でも認識しなくてはならないと思うのです。

 さもなければ、(太平洋戦争がそうであったように、)この映画のようにみんながやるから…、になってしまいます。

(評価:★2)

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