[コメント] 赤線玉の井 ぬけられます(1974/日)
冒頭のSEXシーンに何と皇太子殿下と美智子妃殿下のスチール写真が被さる。途中では君が代が流れるシーンもある。
宮下順子と絡んだ工員風の男の名は前野霜一郎。彼は本作を撮り終えて間もなく、撮影用としてレンタルしたセスナ機でロッキード事件の渦中にいた右翼の大物児玉誉士夫邸に突っ込むというテロ事件を起こした。
この事件にシンパシーを感じた映画人は多かったという。菅原文太であったり長谷川和彦はその最たるものだったという。特にゴジはエセ右翼の児玉などでなく、皇居に突っ込めなどと過激発言をぶちかましていた。
政府公認の売春宿赤線で働く女たちを描くが、かといってその悲惨さを描く訳でも無常感や虚無感を描く訳でもない。女たちは楽しそうに働いている。様々な女の性(さが)をリアルに描く本作。
そんな本作に挿入される皇室は何を表現したかったのか、まったくもって疑問である。天皇すら標的にする新右翼を非難したい訳ではない。「おんな」の哀しい性(さが)を巧く描いたにも関わらず、なんだか余計な事をしちゃったんじゃないかって思う気持ちが残るのです。
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