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[コメント] あした(1995/日)

どんなことをしてでも、どうしてももう一度逢いたい人がいる。言えなかった言葉がある・・・『異人たちとの夏』と同じ失敗で減点1。
sawa:38

この作品、入浴シーンやら着替えシーンやらの不用と思われるシーンがある。 高橋かおりの濡れ場はある程度必要だったかもしれないが、それらがなければ家族で子供と一緒に見れたのに・・・

また、植木等が演じるやくざの親分を巡るドタバタ劇も如何なものだろうか?

登場人物が多くなる映画なのだから、ドタバタ劇に費やす時間を各キャラクターと死者との描写にもっと費やしてくれたならと、とても残念な思いがします。

大林監督の悪いクセなのでしょうか。ファンタジーに徹しきれずに余計なサービスをし過ぎてしまう。

同様な題材を扱った『異人たちとの夏』でも、亡くなった両親との邂逅という、観客が「もし自分だったら・・?」と映画という枠を乗り越えて感情移入しそうになると、突然ホラー調の展開になってしまい、所詮は単なる「映画」だったんだと現実に引き戻されてしまった。

この作品も「もし自分だったら、あの人に逢いたい、あの言葉を伝えたい・・・」などと想いを馳せそうになると、突然ヤクザの親分の暗殺計画なんていう普通の観客には恐らく無縁であろう展開が挿入されてくる。

映画の鑑賞中に作品とは関係の無い、個人的な想いでに想いを馳せるというのは、映画鑑賞法としては邪道なのかも知れないが、私にはそんな体験が出来る作品こそ私にとって「名作」なのです。

そういう意味で本作も『異人たちとの夏』もとても大事にしたい作品であると同時にとても残念な作品でもあるのです。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)ことは[*] kiona 水那岐

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