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[コメント] 忠臣蔵外伝四谷怪談(1994/日)

このトラウマは消そうたって簡単には消えない。さらに、この類い稀なる妖しい映像を撮ったのが深作欣二という事実が批評家をそして私を混乱の渦に巻き込むのだ。
sawa:38

実相寺でも清順でもなく「アノ深作欣二」というところが批評家たちの「深作欣二論」を難しくさせてしまっている。というよりも大抵は避けて語られている気もするが・・・

仁義なき戦い』から『宇宙からのメッセージ』までと、映画界の常識を超えるような「無節操」な作品選びや、誰もが嫌がった黒沢明降板後の『トラ・トラ・トラ!』を飄々と受けてしまうといった、どう評価してよいのやらといった「深作欣二論」をまたさらに難しいものにしてしまった。

手持ちカメラは討ち入りシーンの殺陣でわずかに採用された程度だし、全篇を彩った極彩色の画は一般的に僕らの知っている「深作欣二」ではない、絶対にない。

いったいこの人の才能はどこから沸いてくるのだろう。いや、どこまで「進化」するのか?

なんて誉め過ぎだと思ったら、「お岩」が超能力まがいのパワーで吉良の家臣団を・・・ってな唖然とするようなシーンがおまけについてしまう辺り、やっぱり「たかが深作欣二」だななんて変に納得し、安心してしまった。(妙な言い方ですが一応誉め言葉です)

オープニングからクラシックを使い、桜も吹き飛ぶような春の嵐で観客の度肝を抜き、ラストも静寂な雪にクラシックが被る。まさしくトラウマ足る映像が満載で大変楽しめた。惜しむらくはラストの降り積もる雪の上に伸びる、カクテル光線に照らし出されたふたりの幽霊の「影」が鮮やかなことぐらいではないだろうか。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)赤い戦車[*] 鵜 白 舞[*] tkcrows[*] けにろん[*]

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