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[コメント] 三代目襲名(1974/日)

戦争に行きたくて行きたくてしょうがなかった田岡一雄組長の苦悩と劣等感の発露は何と警察署を守る為に朝鮮人と市街戦を演じることだったとは。
sawa:38

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







神戸市民を不良三国人から守る。ついでに警察も守る。市民は山口組にカンパをし、警察は山口組に礼を言う。麻薬・博打を禁止し、ギャングや愚連隊との違いを説明してくれる。

昔ながらの「任侠道」そのものが描かれる。

何て素敵なグループなんだろう!私も思わず「入会申込書」を取り寄せたくなってしまう。

これは自伝であり、事実に忠実だという。そうなのだろう。

前作『山口組三代目』が唐突にエンディングを迎えたのと同様に、本作も凄惨な神戸港の利権争奪戦が始まろうというところで突然のエンディングになった。これから始まり、35年間に亘る長期政権の中で行われていく山口組の歴史には触れずに映画は終わる。

その後の山口組の起こしていった数々の事件は、本作で高らかに謳われる「任侠道」とは全くの筋違いである事はいまや子供でも知っているから?そうなのだとしたら、都合の良いところだけを掻い摘んで映画化するなんてあまりにも子供じみているじゃないか。

この国策映画のようなご機嫌とり映画は、起承転結もなく、作品自体もなってなければ制作意図すらなっていない。

(評価:★1)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)寒山拾得[*] 町田[*]

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