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[コメント] あなたへ(2012/日)

背骨の無い魚のように作品に確固たるメインドラマが欠如している。それだけにラストの傍流エピソードしか記憶に残りもしない。
sawa:38

メインの高倉健のロードムービーのエピソードのテーマは深みに欠け、そのテーマ自体が「あなた、これからは自由に生きて・・・云々」のあっさりとした台詞で語られる始末で拍子抜けするしかなかった。

いやいやこんな筈ではない・・・・きっとまだ何かあるのだろうという儚い期待に応えるべくラストに佐藤浩市のやるせないエピソードが描かれる。 しかし、そこに高倉健のキャラは「不在」である。 すべてを理解しながらも無言で飲み込む無口なメッセンジャーとしての役割だけで、そこに主役としての役割も、主役にとっての影響も無い。

昔の若かりし健さんならば、佐藤浩市の役で一本映画が撮れたのだろうに・・・

返す返すも惜しい作品だと思う。 佐藤浩市のエピソードのシェアを拡げ、そこに健さんをより絡ませていけば奥行きのある作品に化けたのではなかろうか? ビートたけしのエピソードは完全に泡沫である。そこから得られる主役健さんの情報は何もなかった。

返す返すも惜しい作品だと思う。 当代きっての役者たちがこぞって出演している。 残念なのはその中で主役本人が恐ろしく芝居下手であった。 私は高倉健の出演作品の全作網羅を目標に掲げた時期もあるほど彼のファンである。だからこそ言いたいのだ。 若い時より、その芝居下手は一向に上達しないままだ。 世間で語られる「名優:高倉健」という呼び方はあまりにも不似合いである。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ナム太郎[*] ぽんしゅう[*]

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