ラストの浜辺、野次馬の視線に幼き日々の恍惚感を思い起こされ、気がふれて踊りだすジェーン。呆気にとられていた警官の視線がジェーンの先にある物体を捉える。

ここでカメラは浜辺全体までをも映し出すが如く大きく俯瞰する。ラストカットである。左に野次馬に囲まれて踊るジェーン、右に警官に保護される姉のブランチ。

風景といいカメラ角度といい、『猿の惑星』の衝撃のラストを思い出さずにはいられなかった。この作品のラストカットもどうしようもない無常観が漂い、そこで非情にも「The end」となってしまう。

上手い、本当に上手い。姉の告白を聞いたジェーンはどうなるのか？また姉は助かるのか？そして助かったのなら今後彼女はどうなるのか？

これら一切のことを映画は観客に委ねて終わる。監督と脚本家の「してやったり」という顔が想像できる。見事にやられました。こういうラストは残ります。