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[コメント] ウェルカム・トゥ・サラエボ(1997/英)

殺されていった子供たちはどんな大人になったのだろう?そして生き残った子供たちはどんな兵士になるのだろう。
sawa:38

実際のニュースフィルムの映像の残酷さに劇映画が敵うはずがない。巨費を投じた戦争大作よりも、伝わる情報は薄っぺらくない。

だが、私たちはそんな情報を夕飯を食べながら何気なく見ていたし、連日報道されていたバルカン半島の状況も、日々の多くの情報の中のひとかけらとしてしか気にとめなかった。

作中に英国のニュース番組のトップが「ヨーク公の離婚」にとられたという逸話が入っていたが、私たちもまったく同感できる。遠く何の利権も無いサラエボという町よりもSMAPやモーニング娘を見たかった。

そして後日、反省する。こういった作品を見せ付けられて大いに反省する。もっと我々には何かが出来たんじゃないかと・・・。一時の平和主義者に成らせてくれた気がする。

そして済んだことはともかくとして、次回こそはと心に誓うのだ、平和の尊さと自分の無関心さを呪うのだ。

そうしているうちに、舞台はバルカンからイラクの砂漠へと変わり、その「次回」がやってきた。だが、ほとんど大抵の日本人は動かない。やはり、事態が終息してから、反戦映画や報道番組で平和主義者を気取るぐらいが一番いい。

このコメントを書いている03年03月13日の前日にセルビアの首相が暗殺された。各紙とも拍子抜けする程の小さな扱いで報道している。イラクの次の北朝鮮ではこうはいかないだろう。マスコミも私たちも。

(評価:★3)

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