[コメント] 事件(1978/日)
たとえ全てを白状しても、どうしても触れて欲しくない「心のヒダ」がある。そんな「ヒダ」を演じてみろと言われて、演じきってみせた大竹しのぶという少女が作品のステージを一段上げている。
どんな事件でも、たとえそれがクラス内の鉛筆盗難事件といった小さなものだとしても、犯行を決意させるには様々な「ヒダ」が積み重なり、絡まり合っている。
法廷での難解な言葉ではそれは言い表せない。ワイドショーの好奇な言葉では本質を空虚に通り過ぎてしまう。
各人が持つ「心のヒダ」。それはわずかに残されたそのヒトとしての「誇り」なのか、それともこれを「業」と言うのか。
いずれにしても、これを演技で表現しなくてはならない役者とは、如何なる感性を持ち得なくてはならないのだろう。
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