オープニング、ナンシー・シナトラのバンバン。ビビカ・Ａ・フォックスを睨みつける瞬間のズーミングと鬼警部アイアンサイドのテーマ。注射器を持って歩くダリル・ハンナの口笛。壮絶なアニメーション。千葉真一の、刀を見つめる目。ミニチュアセットの東京夜景と飛行機。チェイスシーンの疾走感。バイクの後部に挿してある刀。布袋作『新・仁義なき戦い』のテーマと共に現れるルーシー・リュー。啖呵を切るルーシー・リュー。サンタ・エスメラルダ「悲しき願い」。シルエットのバトル。雪降る日本庭園、梶芽衣子「修羅の花」。脳。ユマ・サーマン。

興奮した。こんな映画見たことない。もちろん過去の作品のよう鋭いダイアログは健在だし、何度も時系列を操作するし、細部へのこだわりも徹底されているタランティーノ映画だ。

だが何か違う。そう、それらは全て現代劇だったのだ。それに対し、彼が見てきた膨大な数の映画の記憶によって作られたこの映画に現実の制約はなく、世界はタランティーノのものだ。そんな世界で日本のやくざは皆刀を携帯するし、飛行機の座席には刀ホルダーがある。血は激しく高くしぶきを上げ、手足が飛ぶ。誰かがブレーカーを落とし、ザ・ブライドにおあつらえ向きの場を提供する。そんな世界だ。それを、遊び心を保ったままいかにも映画（あるいはＢ級映画）的シーケンスに仕立て、映画（Ｂ級映画）的ケレン味たっぷりに描いた。

上記は興奮指数１００を超えた場面。タランティーノ、そういえばあんた、「俺が見たい映画を作ってるんだ、一緒に見たいやつは大歓迎だよ」なんて言ってたよね。で、このキル・ビルが、あんたが「見たい映画」なんだよね。、、、、俺も見たい。大好きだよこういうの。興奮しすぎて泣きそうだったよタランティーノ、、早く、、早くＶＯＬ．２公開してくれ！！