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[コメント] 祇園祭(1968/日)

祇園祭の復興を、当時低迷していた邦画の復興祈願と重ね合わせて描いたオールスターキャスト作品 [07.07.15 京都文化博物館]
TOMIMORI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







なんだけど(製作が中村錦之助が代表をする「日本映画復興協会」という直球な名前!)、木暮実千代、渥美清、高倉健、美空ひばりの四人は詐欺としか思えないほど少しの出演で、逆に観客の反感を買ったのではないかと危惧する。木暮実千代なんて、5秒ぐらいしか映ってないんじゃないかな。jmdbが出演記載漏れ(http://www.jmdb.ne.jp/1968/cr003310.htm)しているぐらいだし。と思って調べてみるといろいろ紆余曲折あって7年もかけて完成した労作らしい。出演してくれた役者たちは五社協定の制約もあってこれが限界だったのだろう。詐欺と言ってはバチがあたるかも。

岩下志麻は河原者にしてはいつも綺麗な着物を着てまるでお姫様。差別される描写も皆無で、強いて挙げれば新吉が妹に「河原ものを好きになったといったらどう思う?」と聞いて妹が「いや!」と顔を背けるシーンぐらい。部落差別にはあまり触れたくなかったのかもしれない。

でも気になったのはそれぐらいで、三船はいつものように馬に乗ると水を得た魚が如く生き生きとしていたし(この人見ているとお前はケンタウロスか!ってよく思う)、中村錦之助も本職さながらの睨みをきかせてくれるし、岩下志麻のツンデレ具合も素晴らしく、168分退屈することはなかった。

いずれにしろこの映画を見たことで祇園祭のなんたるかを知ったし、人ごみ嫌いの自分でさえ山鉾巡行を見に行きたくなった。

(評価:★3)

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