[コメント] 萌の朱雀(1997/日)
説明的な台詞を排し、行間を読ませるような演出で鑑賞者の感性に委ねる為、コオロギやヒグラシの泣き声に和んでいると寝てしまう恐れがある。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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実際に1回目に寝てしまった自分は、兄妹だと勘違いしていたためトンチンカンな鑑賞をしてしまった。2回目にはちゃんと理解してこの映画の叙情性に少し打たれたが。 兄妹ではないことは父親が「栄介、母さんに会いたいか?」という台詞だけで処理するんだもんな。
「行間を読ませる」と書いたが、その"行間"を自分なりに整理してみると
・妻は夫の自殺?の原因を近所から詮索されているに違いない。(そもそも自殺かどうかも定かではない)
・夕立の日にずぶ濡れになった栄介と泰代は何かエロいことをしたに違いない。
・縁日で栄介に手をひっぱられるみちるの姿を見た人は二人を恋人だと思い込み、よからぬ噂を立てるに違いない。
本当はこのような田舎特有の閉塞感や土着的な要素を描くべきなのだろうけど、この監督は見事なまでにそれらの不純物をろ過してしまい、綺麗な上澄みの部分だけを見せようとする。おそらくそうすることで叙情的な要素を高めたかったのだろう。その試みはこの映画では成功していると思う。
でも孝三の8ミリフィルムが伝えたかったことって一体なんだったのだろう?しばらく心に引っかかりそうだ。
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