アメリカの現状を理解してない私にとっては想像に過ぎないが、おそらくアメリカが今かかえてる問題をリアルに描けてるんでしょう。完全に純粋な「善人」と「悪人」に分けられないキャラクター設定をしたアメリカの作品は今までほとんどなかったかもしれない。（あったかもしれないけど…）次から次へと登場人物を絡めた技術は及第点。繋がる意味はあまりない部分があったけど。エピソードの一部には、感動や共感をした部分もある。しかし、妙な違和感が残る。果たして、何を受け止めればよかったのか。

あまりに良い評判ばかりが入ってくるので、いろんな人の意見を読んでみたら「日本人にはわからない、肌の色が違うだけで差別するという現状が理解できた」という意見が多数見受けられましたが、日本人は、肌の色が違う人種との国内での関わりは少ないですが、肌の色も違わない人を差別してます。それどころか、同じ日本人同士でも差別されている人たちがいます。そりゃ、他民族国家じゃないので、アメリカほどの摩擦は多分起こりませんが、勝手に「よその国」だけの出来事にしないでほしい。

ネタバレしたくないので、詳しくは書けませんが、人物描写が前評判とは程遠いものでした。狙いではなく、キャラクターが崩壊してしまってるとしか思えません。

やはり、戦争で人を沢山殺している最中、熊の子供を助けたことを誇る国の映画だね。

私自身、最高の評価にはっきりと反論できるのかというと多少の不安が残ってしまいますが、私にはこの映画が非常に高い評価を受けていることそのものが今の人間のかかえてる問題に見えてしかたがない。「お前は映画が解ってない」なんて言われそうだな。

製作者自身が気づいていないと思われる差別意識が少々むかつきました。