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[コメント] タイヨウのうた(2006/日)

最高です!優しさに満ち溢れた素晴らしい映画です!全ての関わった人たちに感謝です!沢山の人に観てもらいたいので、ネタバレなしで頑張りました。
テトラ

主演のYUIさんが大好きだから観たのですが、この企画を知った時はまだYUIさんのことをそんなに詳しく知りませんでした。元ネタが好きな映画の一つである香港の「つきせぬ想い」だということと、数年前に初めて知った時にショックを受けた病気であるXPと結びつけたことには興味を持ちましたが、デビュー以来タイアップ続きのYUIさん主演ということで、彼女のプロモーションの一環だと思っていました。その後、YUIさんのことをよく知るようになって、彼女の言葉などを聞いていくうちに思い直しましたが、初めての演技、監督も長編初監督という状況に疑いを抱いてました。試写会が何度も開催されて、公開前にYAHOO!レビューに絶賛の嵐。今まで、公開日前後にYAHOO!で大絶賛されてる映画を観て失敗したことが多かったのでさらに不安は大きくなっていきました。でも、主題歌[Good-bye days]は素晴らしい歌で、それだけでも1本の映画を観たくらいのドラマチックな感動を味わえるので、音楽だけでもいいや、というくらいの気持ちで観ました。というわけで、私の絶賛は、YUIファンだからだけじゃないということです。

関係者の皆様、ファンの皆様、大変失礼いたしました。

これから観る人は、出来るだけ予備知識を排除して先入観を持たずに見て欲しいです。無理を言えば、曲も聴かずに観た方が深い感動が味わえるんじゃないかと思います。純愛3部作完結編とか言われてますが(前の2作は『世界の中心で、愛をさけぶ』と『いま、会いにゆきます』)、そういう風にくくらないでもらいたい。監督も言ってましたが、それらの病気泣かせ映画とは狙いが全然違うみたいです。個人的には、全てが過不足なく、素晴らしく心地よかったです。私は、病気で誰かが死んで、恋人とかが「うわー!」って号泣する話ってあんまり好きじゃないんです。そこで何かを悔やんだり、恨んだり、これからその死を一生背負って生きていくような感じ。凄く苦手です。観ても幸せな気持ちになれないもん。一方、絶望する人に「信じれば絶対叶う!」とか、根性論を叩きつけて上手くいっちゃう話も嫌い。映画だからさ、って言われたら呆れる。実際そういう話は現実にもあるわけだけども、どんなに願っても信じても頑張っても叶わないことって絶対あるんだ。そういうところで生きてる人っていっぱいいるはずなんだけど。この映画は、そういうところを悲観的でも楽観的でもなく、押し付けることなく肯定している。だから、何を期待するかで評価が変わると思うけど、自分にとってこんなにしっくりくる映画は珍しかった。

ただ、一つだけ言っておきたいことがあります。YUIさんのファンなら問題ないのですが、彼女のことをよく知ってる人じゃないと「ん?」って思うんじゃないかというところがありました。メロディを最初に思いつくシーンで歌っているのが「YUI語」と言われるでたらめ英語なのです。YUIさんが実際に曲を創る時にメロディ先行なので、まずはYUI語で歌うのです。知らない人からしたら、なんで英語の歌詞が?って思うかもしれない。

共演者も素晴らしかった。塚本高史さんは意外な役という声も聞かれましたが、私にとってはこの映画の役が彼のイメージそのものでした。以前ドラマで彼の魅力を知り、顔だけじゃなく、本当にかっこいい人間の味を出していて憧れました。まさに、主題歌の歌詞にもある「かっこよくない優しさ」。そんなイメージの人でした。その他全ての俳優たちもしっくりきて見事なキャスティングでした。プロデューサーの話では、脚本の段階でのイメージに100%合致する人はいないものだが、映画が完成してみると「この人しかいなかった」って思ったそうです。ちなみに、心配されたYUIさんの演技については、台詞がぎこちなく聞こえるところが多々あったけど、役に会ってたので問題なし。実は方言を直すのに苦労したのだそうだ。

決して派手な映画じゃない。撮影スケジュールもないし、きっとお金もかかってないでしょう。内容も小さい世界の出来事なんだけど、物語のポイントになる場面では、ガッツリ力を込めて演出し、丁寧に空気を作り、病気のことなど忘れるようなシーンではさらっと日常を切り取るように撮り、時には笑いも入る。(実はベースが重い話では、この笑いが重要だったりする)大変な病気を抱えていながら、普通の恋する女の子をきちんと見せる、制作者のバランス感覚の良さに感動しました。そして、なにより歌の素晴らしさ。これだけ映画としての良さを語っても、やっぱりあの魂の歌なしでは考えられない。YUIさんありきの企画じゃなく、初監督ということもあって演技の確かな女優を見当していたそうなので、彼女に出会わなかったらどんな人が出て、どんな映画になっていたのだろうか・・・まあ、とにかく、何も考えず、気楽な気持ちで観てください。是非、大画面・大音量で観て欲しいです。夜のシーンも多いので、出来るだけ良い環境で観てください。

映画を観てから主題歌を聴くと、さらに泣けます。

全然関係ないですけど、映画鑑賞が趣味のYUIさんが初めて劇場で観たのが『ジュブナイル』だそうです。そこで主人公の母親役をやっていたのが、今回の母親役である麻木久仁子さん。そして、私がシネマスケープに参加するきっかけとなったのも『ジュブナイル』。勝手に縁を感じてます。モヤモヤと・・・

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)水那岐[*] sawa:38[*] ebi[*]

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