[コメント] 下妻物語(2004/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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「シネスケ 下妻・代官山オフ」ってな企画、面白いでしょう! 尼崎を加えるのは無理があるでしょうけどね。
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女優として眼中になかった深田恭子。恥ずかしささえ覚える「ロリータ・ファッション」。嫌悪感を覚える「ヤンキー」。インパクトのあるチラシで気になってはいましたが、シネスケで評判が高まらなかったならば、多分観なかったでしょう。いや、観たなら観たで、むしろ反抗して辛い採点と酷評さえするつもりでした。
それは、この二人も出会った時は同様でしょう。ハタから見れば絶対に接点さえない二人が、やがて奇跡的なシンクロを引き起こす作品です。
どちらも世の中の流れなど意に介さない、極端な「ゴーイング・マイウェイ」。二人とも信念を貫き通し、話の最後までその信念は曲げない。ところが、やがてはお互いを少しずつ理解し合い、尊重していく。そして、一番大切な人間としての生き方でつながっていく。それはけっして迎合ではない。
CM的な過剰な演出と従来の映画の手法を駆使して、こういう異文化、異世界が解り合える物語を無理なく、自然に描いてくれた為、2時間弱の時間を通して奇妙な友情の中に引き込まれていったのだと思います。
この作品はカンヌ映画祭で数カ国から買い付けられ、海外での上映も決まっているようですけど、日本独特の「ヤンキー文化」も、バッタもんでの笑いも、それなりに理解して貰えるでしょうし、異文化、異世界が無理なく解り合うというテーマも伝わるでしょう。
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ラストの原チャリでの二人の笑顔(特に絆創膏の深キョン!)といい、エンディングタイトル中に二人がたわむれるのもセンスがよく、観ているこちらも心がなごみます。深田恭子と土屋アンナが楽しんで撮影に臨んでいたのが伝わります。この映画で俳優業という天職を得た二人に、同じ日本人として嫉妬さえ覚えます。
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