[コメント] スパイダーマン2(2004/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
赤貧で家賃も満足に払えず、大学の成績はガタ落ち、好きな人には恋人が現れる。
手縫いのコスチュームを洗濯したら、他の衣類に赤やら青やらが染まってしまったり、
糸が出ずにエレベーターを使用し、居心地悪く下を俯きながら、赤の他人に「股に食い込む」と打ち明けたり、
大家の娘さんからケーキと紅茶を頂く、さり気ないシーンがあったり、
転落したら、腰を痛めたり(トビーの実際の持病で楽屋オチのネタ)、
凡人に帰ったら肩の力が抜けて「雨に唄えば」が妙に似合う心境など、
ヒーローらしからぬ、生活感アリアリの等身大のヒーロー。
ゆえに僕が映画やTVドラマなどの創作物に求める”感情移入度”全開!
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「大いなる力には大いなる責任がともなう。」・・・一人で悩む悩む。
火事で一人助けても、同じ現場で別の人を死なせてしまう・・・生身の身体での限界を感じ取るピーター。
登場人物全員に心の葛藤が見られるが、主人公ゆえにその誰よりも心が揺れ動く。
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スパイダーマンは過去のどのアメコミヒーローよりも市民の側だ。ゆえに市民もスパイダーマンを支えてくれる。
NYの高架上を走る電車の先頭でマスクを自ら剥ぎ、もの凄い形相で必死に止める。
止まった電車から倒れそうになったスパイダーマンを乗客の手が支え、電車内に運び入れる。
そこには様々な人種の手がある。女性の手もあれば、子供の手もある。・・・これにはジーンとくる。
大人からは「He's just a kid!」
子供からは「お帰りなさい」
やがてドックオクが現れると(高速で移動しているはずの電車に妙に追いつくのが早いのが難)、乗客が次々と「俺を倒していけ」とヒーローをかばう。ベタだけど、感極まる。
ヒーローを支える市民が居るから、ヒーロー足りうる。
これがヒーローが戦う理由なんだ。
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