[コメント] トップをねらえ!劇場版(2006/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
例えばOVAの第1話では、いきなり「私のパパ!」で始まり恥ずかしさで、ここで断念しては駄目!
次に酒井法子のテーマ曲で恥ずかしくなって断念しても駄目!
マシーン兵器の腕立て伏せや、薔薇の女王様の描写で退いても駄目!
この第1話のハードルを乗り切ってこそ、まず第2話の最後に用意された感動に浸れるのです。父の死の事実に直面し帰還すると時間の流れが違う為、半年が経過しているという切なさ。全編を通してこのウラシマ効果が主人公の孤独感を表出させている。
当時としても、ちょっと古臭い作風だけど、それも狙っての事。序盤の気恥ずかしさは後半の感動を増幅させるための演出だし、ロボットのメカデザインが古臭いのも、これまでのロボットアニメに対するオマージュでも有る。
これは決して、物語だけで感動させられるのではない。声優も申し分ない。何と言ってもノリコ役の日高のり子曰く「自らを全て捨て切る」の雄叫び。コーチ役の若本規夫もはまり役。
作中の大きさの表現方法が素晴らしい。ノリコが初めて宇宙に出たときに建造中のエクセリオンの意外なほどの大きさ。エルトリウムは地上から見上げても解るほどの巨大さ。そして、バスターマシン3号(ブラックホール爆弾)は衛星を凌ぐ大きさで現している。
なかでも一番いい仕事をしているのは、音楽担当の田中公平氏である。力みなぎる「ガンバスター」や感動の旋律「ノリコ」。他にも場面に旋律もタイミングもベストマッチした曲ばかりで神がかっているという表現がピッタリである。
涙と感動と切なさと笑いを見事にミックスさせてくれたラストシーン。これを越えるラストにはなかなか出会えないですよ。
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