[コメント] 異人たちとの夏(1988/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
「サヨナラは、二度目の方がずっと切ない。」これは『秘密』のキャッチコピーです。でも自分にはこの作品の方がマッチしていると思いました。(ピロちゃんきゅ〜様ご免なさい)
ラストでスキヤキを食べて貰おうと、息子が勧めるにも関わらず、箸もつけずにあの世に帰ってしまった両親。せめてあと1分あればと涙ながらに願ってました。そう、親孝行したい時には親は無しなんですね。1分1秒の重みをこれほど映画で感じたことは有りません。そしてその反動で、生ある娘達がたまらなく愛おしく感じる様になりました。
ところで、手前味噌になってしまいますが、自分の妻の事をこの機会に書かせて下さい。 3年前に自分の父が脳梗塞で他界する3日前の事です。その日は妻とお見舞いに行ったのですが、ベットに横たわる自分の父を気遣ってか妻が、「お義理父さんに外を見せてあげようよ」と言ったのです。それは母も自分も思いも着かなかった事でした。ベットから車椅子に乗せ替えるのが大変でしたが、窓から5分くらい外の夕日を見せてあげることが出来ました。結局それが父にとって、天井以外に網膜に映る最後の景色だったのです。そんな急に逝ってしまうとは思いませんでしたので、些細な事だけど最後に親孝行が出来て妻に感謝しています。
表面的な事ばかりをなぞる社会的風潮の昨今、目に見えない物でも大切にする事を改めて認識させてくれた1本です。以前、鑑賞したときは父も健在でしたのでうるうるする程度でしたが、今回はワイパーが必要でした。こうして見直す機会を与えてくれたsawa38様に感謝いたします。
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