コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] パピヨン(1973/米=仏)

日本人の大半は”独房の所長”である。
アルシュ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







貴方は三者のうち誰に該当しますか?

1.5年経っても何ら変わらない(歳もとってないような)独房の所長。囚人を見張り威張り散らす、彼の生き甲斐は一体何だろう? 国への奉仕と耐えて人生を送る事か?

2.シャバでは妻が弁護士と出来てしまう、それを大して悔しがらずに淡々と述べるドガ。その事実に目をつぶり、一頭一頭ブタに名前を付け、悪魔島での些細な生活に満足して余生を送る。

3.パピヨン・・・例え白髪頭になっても、くたくたになっても、断頭の脅しにも負けず、波と共に砕け散るかも知れない恐怖に耐えながらも、常に自由への渇望を失わない。

むしろ独房の所長の方が檻に入れられて居る感がある。そして日本人の大半はその”独房の所長”である。”パピヨン”で生きるには勇気がいる。それも、半端な勇気じゃ出来ない。守るモノが多ければ多いほどまた、身動きが出来ない足カセがある。

「人生を無為に過ごした罪により、有罪!」 パピヨンの夢の中のセリフこそ、この映画の最大のメッセージである。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (5 人)ALOHA[*] ジェリー[*] sawa:38[*] 24[*] Myurakz[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。