ジョンを抹殺するために未来から殺人マシーンがやってくる。未来から来た守護者と共にそれを撃退する。というのが、『ターミネーター』前３作の基本プロットだ。

今作では、その基本プロットを捨て、人間ＶＳ機械の戦いに主軸を置き、前３作で既に語られてきた未来を骨格に、新たなストーリーを構築する。ジョンが如何にして救世主となったのか、カイルとジョンは如何にして出会ったのか。『スターウォーズ』シリーズが示した通り、既に知っている情報を小出しにすることで、観客に持続的に興奮を与えることができる。『スターウォーズ』シリーズと違うのは、既に知っている情報は、未来の情報であるということ。もし次回作があるとしたら、こんな話になるかもしれない。「スカイネットが開発したタイムトラベル装置を探し出して、Ｔ−８００の転送を防ごうとするが失敗、ジョンは決断し、カイルを過去に送る・・・。」たとえストーリーが予想できたとしても、私は観たいと思うし、面白いものがつくれると思う。それほどに、『ターミネーター』という発想はとてつもなく面白いのだ。

正直、今作、突っ込みどころが多すぎる。シュワミネーターだったら、ジョンを投げ飛ばしたりせず、その場で確実に殺す。スカイネットのコンピューターは、プログラム通りに操れるはずのマーカスのプログラムを何故書き換えない・・・。粗いところが多々目に付くのだが、気にせず楽しんだ方が特というものだろうか。

ところで、前作までは未来から守護者がやって来ていたが、今作でジョンを助けるマシーン「マーカス」は過去から来たことになるのか・・・。シンメトリー的で面白い。