前３作は、強い能力を持ったミュータントのゴリ押し的な描写が多かったじゃないか。 俺はそこが大いに不満だった。 能力バトルの描き方って、互いに能力を探りながら戦うから面白いんだよ。

今作はそこを思う存分見せてくれる。 能力者同士が始めて出会うとき、 互いの能力を知らないことから生まれる緊張感！ 必殺の攻撃かと思いきや、いとも簡単に受け流される絶望！ 能力の強さ・大きさに頼らない頭脳戦に興奮した。 まるでジョジョ！

その中にあって、圧倒的な力を持つショウ＝ケヴィン・ベーコンと、 それに次ぐ力を持つマグニート＝ミヒャエル・ファスベンダーの一騎打ち（実際は主人公も噛んでいるが）はしびれた。 『キック・アス』に続き、快作を届けてくれたマシュー・ヴォーンの今後に大きな期待が持てる出来であった。

それにしても、ショウの能力は圧倒的すぎ。 エネルギーを吸収・蓄積・放出できるなんてほぼ反則。 たぶん吸収したエネルギーはE=MC^2の式に従って、質量として保存されているんだろう。 それを好きなときに好きな形で放出できるなんて。 観客に、「こいつには勝てないんじゃね？」と思わせるあたり、Ｔ１０００に匹敵するインパクトがある。 というか、全SF史上最強クラスの能力だと思うんですけど、どうでしょうかね？