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[コメント] ローラーとバイオリン(1960/露)

気付くとはらはら泣いてしまってて、そんな自分にとまどった。
なつめ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







緻密なんだけど神経質さを感じさせない。とにかく、細部の細部、最後の最後まで、ただただ美しく、繊細。

始まってすぐに、青と赤の色彩が気になってくる。新しく画面に登場するもの(着ている物、建物、小物、横切る物…)が、ことごとく、青か赤なのだ。もちろん、微妙に明度や濃度は違っているんだけど、ああ、これも!どうしてここまで! と、ある意味絶句。こだわりを強く強く感じた。アクセントに黄色が入ってくる場合あり。画面の印象が素晴らしく、どこかに青か赤が入っている。それも絶妙なバランスで。というわけで、ついつい青と赤をさがしてしまう。光の当たる(射す)描写も素晴らしい。

物語は、バイオリンを習っている男の子と、ローラーを曳く男の人の交流(ああ、なんて陳腐な表現しかできないのだ!)。お互いの"道具"を交換し、手にしたその瞬間、それぞれが幸せな顔をする。この2人の人生がまさに交わった瞬間に思い、同時に、これから先はもう、そういうことはないのだろうとも感じてしまう。そんな美しい1日。

(評価:★5)

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