[コメント] 愛と誠(2012/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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始まって早々、喧嘩シーンの前に歌が始まったのにびっくりしつつ、ぐっと気持ちをつかまれた。やっぱり三池崇史は裏切らない!
その後も、舞台の時代である70年代とおぼしき歌の数々が、シーンに合わせて挿入される。物語を生真面目に進ませるだけではなく、緩急をきかせる感じがしてよかったし、主要な出演者の見せ場でもあるので楽しい。ただし、ラスト近くになって、映画にも出演している一青窈の歌が入り、なんだか取ってつけたようだなあと残念に思った。
武井咲の天然お嬢さんは、誠じゃなくてもウザイと思うかもしれないけど、信念を貫くという意味では大したもんです。大したものだという意味では、岩清水も最初は暑苦しいと思うだけだったのに、芯は意外としっかりしていて、口だけじゃないのには驚いた。ベッドで目を覚ました愛が、まず先に誠のことを心配しても微笑み、「彼は来るよ」と伝えることができるなんて、すごく大人だ。
妻夫木の演じる孤独な雰囲気は、ときどき上滑りなときもあったけれど、基本的にすごく良かった(髪型も!)。誠の本質は、「意外とセンチな面がある」と言った“悲しい女”が確かに見抜いていたかもしれない。母親に自分の名を呼ばれて気持ちが氷解するところなどもね。何も名乗らずに去るのかと思ったら、名乗らずにはいられなかったところも含めて。
ちなみに、伊原剛志の高校生役は、セリフでフォローしてたのが笑った。確かに、NHKドラマの「はつ恋」のスーパードクターはどこに行ったのだ! というくらい無理があった。ご愛嬌。
それにしても、誠があんなふうに刺された最後が非常にくやしくてくやしくて、今夜は眠れそうにない。
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