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[コメント] 彼らが本気で編むときは、(2017/日)

リンコさん登場シーンは『グロリア』でのジーナ・ローランズ登場と同じくらい衝撃的だった。つまり、一気に惹かれた。たたずまいが素晴らしい。その初対面の姿形で既に内面も体現していたのは見事だ。何故思い出したのかは自分でもわからない。
なつめ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







トモの帰らない母の代わりに、トモの叔父とリンコさんのカップルは彼女を引き取りたいと夢を抱く。ここで私が夢と言ったのは、その道行きが現実的にはとても険しいだろうと踏んだからだ。実際、そんな夢を語った二人の前に、トモは「お母さんでもないのに」と気持ちを爆発させ、たぶんリンコさんの気持ちを奈落の底へ追いやった。そして世間の目もチラチラ挿入させる。

トモが実際母を目の前にしたときの、どうしようもなく母を求める気持ちもちゃんと現実的に描いていて、おとぎ話に終わらない。どんなにひどい母親でも子どもが母親を求めるという切なさと残酷。なので、4 人が対峙したときの緊張感と爆発はとても良かった。トモの母親がトモと一緒にいたいと思っていることもあいまって、トモが叔父とリンコさんカップルを選択することはないだろう。選択できる環境だからこそ、それぞれに思いを残した気もする。

最後の贈り物はトモにとって重荷になりすぎず、でも意味もユーモアもあった。考えつかなかった。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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