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[コメント] アメリカン・ヒストリーX(1998/米)

自分の意見と世間の意見。そして世間の方が力をもっている。悲しい現実である。
billy-ze-kick

 アメリカの人種差別は本当に根が深い物があるのだなぁと実感させる映画だった。

 主人公はトラウマにより思想に狂ってしまった青年。才能があるがゆえに、リーダーになり突っ走ってしまい、獄中へ。娑婆では全能の彼も井の中の蛙、戦い方を知らない。そこで出会った人物に本当の幸せを教わる。しかし娑婆に出ると彼は神のような存在にされていて、弟は過去の彼に憧れていた。若気の至りが未だに後をひき幸せは遠い。自分は変わっても世界は変わらない。世間はそう見てくれない。そして問題は世間の方が力をもっていることだ。

 人種問題については、安全と水はただの国、日本人が書くのはちょっときつい。ただ人間はなぜか物事に理由をつけたがる。人間とはなんだ。人生とはなんだ。死とはなんだ。なんでもないのである。生きることに理由はいらない。そして死ぬことにも。理由がないことを恐れ、無理矢理理由をつけることによって問題がうまれる。父の死にはこんな理由がある。弟の死にはこんな社会背景がある。それにたいして怒れる若者は立ち上がる。生は生、死は死、良い奴は良い奴、悪い奴は悪い奴、そこに理由はない。理由をつけたばかりにまた問題を産む。悲しい現実である。

(評価:★5)

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