個人的には方向は嫌いじゃないけど、『ワンピース』観に行ってこれを見せられたんでは何だか辛いなぁという印象。

最初に、今までと違う作画の時点で結構抵抗はあったのだが、まぁそこは映画だし別物を見るつもりで……と思ったが、内容まで別物な感じ。

いや、自分10巻ぐらいまでしかワンピースを見てないんで、今どうなってるかはほとんど知らないんですけど、でもこの漫画の魅力ってジャンプが掲げる“努力・友情・勝利”を突き進んでて、爽快感のある作画や元気の良さ、テンポの良さが魅力のように思うんですが、そういうのは一切ない気がしました。

そもそも、麦わら海賊団ってエライ結束のカタイチームだと思うんですが、その彼らが仲間割れする過程にまるで説得力がなく、それぞれにもほぼ見せ場がないので、イマイチ話が盛り上がらず、ぬるぬる〜っと最後の『AKIRA』のラストのみたいな（笑）グロイ花の描写に持ち込まれた感じ。確かに映画って番外編だから、実際の物語の流れとかを気にする必要がないとは思うけど、ちょっと冒険しすぎてしまったかも……？内容に囚われすぎて、ルフィが皆を想っている感じもないがしろにされたように思うし。これを映画館で見てたら、いつもワンピースを見て感じる爽快さを感じずに映画館を出る事になっていたんだろうなぁと。

変わった事をしたかったのは認めてあげたいけども、テイストが暗すぎて問題が……。

前半の物語のテンポの良さは面白かったですけどね。サンジ役の平田さんはジョニー・デップをやってる時は雰囲気勝負で明らかに力不足を感じるけど、サンジはこなれてていいですね。

次回の映画はもっと晴れやかな気持ちで見られる事を期待してます。

あと、前回の映画から思っていた、かなり個人的な意見なんですが、子供が見る映画でエンドクレジットにキャラクターの映像を入れないのは言語道断だと思うんですよね。自分が東映アニメフェアで『ドラゴンボールＺ』の映画を見た時は、いつもエンディングで映像を見て主題歌を聞きながら、内容を反芻したりして余韻に浸ってたものです。子供向けのアニメ映画はそうあってほしいんだけどなぁ……