原作者に不評だったようだが、これはキューブリックにしか出せない表現(原作呼んだ事ないが)赤いトイレなんていかにも彼らしい。

全体の整然とした感じと、狂いだすニコルソンのミスマッチが怖さを煽る。もともとキューブリックの映像美には目を見張るものがある。私なんかは、これに限らず彼の映像には戦慄し続けていたりする。あまりにすっきりしていて怖い。何というか、壁も床も天井もシミ一つない真っ白で何もないな部屋の中に突然自分1人が放り出されたような怖さ。あまり上手く表現できないがそんな感じ。この作品にもそれが表われていて良かった。でも、私の今迄見てきた彼の作品の中ではこれより『２００１年宇宙の旅』の方が怖かったりするが(色んな意味で)……

しかし、ニコルソンは勿論の事、家族達皆怖いよ!奥さんの顔も怖いし!子供の指を折って話すシーンもヤケに怖い。

微妙な部分もあったが、見るべきところは山ほどあるから及第点以上で