[コメント] 奇跡のシンフォニー(2007/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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クラシック、バンド演奏、弾き語り、サウンドコラージュ、ギター演奏、コーラス、オルガン、などなど、様々なスタイルで、音楽のパワーを描き出すサウンドトラックは良い出来だと思う(エルガーのコンチェルトの演奏はいただけなかったけど)。
そんな予告編に騙されて本編を観たけれど、フレディ・ハイモアとケリー・ラッセルの、まるっきり非音楽的な演技ですべてが台無し。
観ている方が恥ずかしくなるような、ひどい演奏シーン。顔を映さず手元だけのギター「身代わり」演奏のカメラワークもひどい。いくら実際に演奏出来なくても、もう少し何とかしてくれないと。
父親役ジョナサン・リース・マイヤーズや黒人の子どもなど、他の演奏者が良かっただけに、何とも残念。
それに加えて、カースティン・シェリダン監督のドラマ演出は、怒りを覚えるレベル。せめてクライマックスくらいは、もう少しどうにかして欲しかった。
というか、この監督、それ以前にカメラや編集が非音楽的で、どうにもテンポが悪いんだよなあ。脚本は悪くない(だからこそロビン・ウィリアムズだって出演したんだろう)、演出が犯罪的なまでに脚本を裏切り続けているだけ。
ドラマとして考えれば、本来はロビン・ウィリアムズの存在がポイントになるはずだ。出会いのシーンで、二人が耳を傾けるのが彼の奏でる音楽であることの意味は大きい。それが、単なるつまらない憎まれ役に貶められていて、ドラマとしての奥行きが失われている。実は、誰よりも音楽に殉じているのがロビン・ウィリアムズだというのに。
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