[コメント] チャンプ(1931/米)
この映画が出来てからのこの80年間で、父と子というものは根本的に変わってしまったと思い知らされる。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
映画としての描写の見事さをそこここに認めることは出来るので点数は3に留めるけれど、この映画は根本的に理解出来ない。
何か、この時代の父子関係というものは、自分が経験して来た第二次大戦後の世界におけるものとは、まるで違うもののように思える。自分の目からすれば、この父親も息子も、ただの身勝手、ワガママ、自堕落なだけで、何の共感も持てず、映画を観ている間中イライラしっぱなし。
そう考えると、「欠点だらけだが愛すべき父親」が退場し、「復権した母親」に抱かれて去るラストは、その後の世の中の流れを予感しているようで、感慨深い。
キング・ヴィダーという人は、小津のフェイバリットという先入観があったけど、この映画を観る限り、競馬やボクシングなどの活劇シーンの描写で、むしろ黒澤に近いイメージがあった。
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