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[コメント] CQ(2001/伊=米=仏=ルクセンブルク)

意外な出来の良さにこれは監督よりも製作の方の努力と思えてしまうのは、やっぱり二世への僻みでしょうか?
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 コッポラ・ファミリーでこれまでほとんど映画製作に関わってこなかった息子のロマン=コッポラの初監督作品。初監督でユニークなものを造ってやろうという気負いと妙な力の入り具合は感じるけど、出来は意外にもそつなくまとまり、すっきりした気分で観られる。

 実際、素材の取り方と言い、こだわりと言い、1970年代、『スター・ウォーズ』(1977)が出る前のインディペンデント系SFへの愛情に溢れた作品で、『バーバレラ』(1967)を思わせるステージセットと言い、小物の数々もレトロ調。しかも取っている映画が“60年代はこう考えられていた宇宙”の描写に力が入れられている。言ってしまえば、凝りすぎるほどの凝り方を見せている。映画オタクが映画オタクを撮影したような作品と言うのが正直な感想。

 だけど、それで物語は決して破綻しているわけではなく、むしろ逆で小技の一つ一つが上手くはまっている。メタフィクションものとしての完成度もかなり高い。演出の巧さで物語を作り出すことが出来るという恒例だろう…ただその分個性が殺されてしまった感は拭えず。素材は面白いのにカルト作にはなりきれなかった。それが良かったのか、悪かったのか。

 とりあえず幅広く一見をお勧めしたい作品。

(評価:★3)

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