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[コメント] 忠臣蔵外伝四谷怪談(1994/日)

これも深作欣二監督らしさ。彼にとっては怪談だろうが叙情的な話であろうが、最後は絶対にアクションに持って行くことになります。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 これまで幾度と無く映画化された人気歌舞伎の二大演目である「仮名手本忠臣蔵」と「東海道四谷怪談」。この二つを合わせて映画化したという画期的な作品。

 昔のことだが一時期私は「東海道四谷怪談」にはまってた時期があって、かなりの数の文献を読んだし、テレビでは何回か歌舞伎の舞台も観た。その際、意外な事を知ったのだが、実は「東海道四谷怪談」とは、本当に「仮名手本忠臣蔵」の外伝であるということ。討ち入りを果たせなかった浪人を主人公に、仕える主君や設定をやや変えて、四谷雑談集という怪談話を合わせて鶴屋南北が書いたものが始まりという(異説あり)。

 当初忠臣蔵の幕間で演じられたいくつもの外伝ものの一つに過ぎなかったが、その中で出来が最も良かった本作が独立したものが「東海道四谷怪談」となった訳だ。

 だから、この作品は本来あるべき形へと戻した作品と言っても良い訳だが…

 ただ、それにしては、本作の出来はちょっとお粗末すぎたのが問題。

 最大の理由は、本来徹頭徹尾主人公であった伊右衛門ではなく、お岩の方をフィーチャーしすぎた事だろう。高岡早紀を売りにしようとした事そのものは構わないんだが、なんか結果として、高岡早紀しか印象に残らない作品になってしまった。

 今から考えても、後半の討ち入りシーンはほとんどギャグそのもの。余韻も何もあったもんじゃない。

(評価:★2)

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