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[コメント] 子連れ狼 親の心子の心(1972/日)

観てる間、「あー岸田森格好良いなあ」としか呟いてない俺って、人間的にどうなんだろう?
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 三隅研次の『子連れ狼 死に風に向う乳母車』(1972)に続く第4作。前作時点で演出的には既に頂点に達したと言って良いため、本作以降は惰性で作られた感が強くなる。

 更に監督の変更ということで、本作はもはや拡大再生産となってしまった。決して斎藤監督は悪い監督ではないが、どちらかというと職人監督という感じなので、三隅監督を完全踏襲して、演出を派手にしただけという雰囲気になってしまった。

 そもそも本シリーズは、残酷性やアクロバティックな殺陣に強調が置かれ、物語性はあまり重要視されてないようなところがあるので、物語を深めることも出来ず、さりとて演出を落とすことも出来ないとあっては、結果として前作とほとんど同じようなパターンで作るしかなかった。

 映画的な見所で言うならば、ラストの一人対多人数の殺陣だけが唯一の見所と言っても良かろう。

 ただ、個人的にはいくつかの面白い部分が散見できる。

 物語中盤に登場する刺客役の岸田森の、不気味さとどこかコミカルさを醸した演技は実に素晴らしく、これを観るだけでも面白いのが第一。

 そして珍しく本作ははっきりと被差別について語っているという点も挙げられる。ここに登場する乞胸(ごうむね)とは、江戸時代に存在した全国行脚する旅芸人だが、これは身分外の存在で、町に住む身分外の住民の更に下に位置する立場にある。それをちゃんと描こうとしたことことは評価されるべき所だろう。エンターテインメントに押されて中途半端なものになってしまってはいたが、少なくともこれが作品の意地ってところになるだろうか。

(評価:★3)

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