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[コメント] 摩天楼〈ニューヨーク〉はバラ色に(1987/米)

最後までシリアスにせず、ノリで押し切った感がありますが、これが80年代の特徴ってやつですか。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 『卒業白書』(1983)や『フェリスはある朝突然に』(1986)のように、これ又1980年代を代表するようなサクセス・ストーリー。前提とされる設定そのものは『陽のあたる場所』(1951)に良く似ているのだが、あのような重さは笑い飛ばして、とにかくノリと成功を突き進んだ作品であると言えるか。1987年全米興行成績9位と興行成績も大ヒット。

 特に80年代というのは才能と度胸さえあれば突き進める!という幻想に彩られていた時代で(アメリカのみならず、バブル期に入り始めた日本もそうだけど)、まさにフォックスはその時代の寵児と見られていたことがよく分かる。失敗してもめげず、自分の才能の正しさをめげずに大人にアピールしつつけ、更には押しの強さで恋人まで手に入れる…なんと羨ましい。

 勿論これをもっとシリアスに仕上げることも出来ただろうし、物語としてはそちらの方がしっかりするだろうと思うのだが、逆にここまで軽さとノリで押し切ってしまった事の方が評価出来るのかも知れない。当時の雰囲気に浸りたかったら、絶好の作品ではあろう。逆に当時を知らない人間(あるいは当時にトラウマを持った人間)にとっては、腹立つだけの作品でしかないが。

(評価:★2)

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