コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ(2004/日)

このシリーズでなければ本作はもっと評価されてしかりなんなんでしょうけど…
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 前作『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード』(2003)は一気に方向転換して子供向きにした感があったが、本作は再度方向転換。マニアックな描写を入れたりして、大人も子供も楽しめる作品に仕上げようとしているのがわかる。本シリーズ特有の線の少ないキャラクタ描写で、元ネタのはっきり分かる人物描写がされているのは上手いし、西部劇ファンだったら(古いタイプもマカロニもひっくるめて)分かるマニアックな小ネタが満載されているので、見応えはあるし、緊張感もしっかり持続されていた。最後の仲間の力を会わせて!という展開も燃える。

 流石に原恵一監督作と較べてしまうと、パワー不足は否めないながら、普通に観る分なら、充分に楽しいアニメに仕上げてくれた。観てるこちらもほっとした。

 実際本作はかなりバランスが良い。絵も複雑にしすぎず、謎の部分もちゃんと理解できる範囲で用意され、そして最後の団結のパワー。この辺が観てるこっちを熱くさせる。前半の世界観を後半まで持ってこなかったのは、逆に英断だっただろう。そして最後まで残る一つの謎と失恋に終わるしんのすけの初恋。90分弱の中によく詰め込んだ。と思えるような作品だったのは確かだ。

 それにしても、西部の町に出るキャラ描写は見事。クラウス=キンスキーは出るわ、チャールズ=ブロンソンはでるわ、ユル=ブリンナーは出るわで、なんかそれだけでもにやにやしてしまう(本作は予告と本編が全く違うのも特徴だが、予告でブロンソン似のおっさんが右手を顎に当て「ん〜〜」とやるのには笑えたもんだ。是非このシーンは本編でも使って欲しかった)。

 これまで中心的題材であった家族愛部分が極端に小さくなり、しんのすけだけにスポットが当てられる作りは、ちょっと寂しい部分はありだし、最後のオチがやや弱い感じは受けるけど。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)ひゅうちゃん sawa:38[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。