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[コメント] 西部開拓史(1962/米)

とにかく西部劇のエキス集大成と言った感じなので、西部劇ファン用の作品として考えるならば素晴らしい作品となるだろう。多分。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
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 ライフ誌に連載された絵物語にヒントを得たジェームズ=ウェッブが195冊の歴史書をもとに脚本を書き、ヘンリー=ハサウェイ、ジョン=フォード、ジョージ=マーシャルの3人の監督を用いて、更に出演は、キャロル=ベイカー、デビー=レイノルズ、ジェームズ=スチュワート、グレゴリー=ペック、ジョン=ウェイン、ジョージ=パペード、リチャード=ウィドマーク、ヘンリー=フォンダ、カール=マルデンなど、西部劇の主人公クラスが全員登場するという、これ以上ないほどの豪華なオールスターキャストを用いて作られた西部劇の本物の大作。シネラマ劇映画第1作でもあり、1963全米興行成績は5位となっている。

 監督からキャストに至るまでまさにオールスター出演と言った感じの作品で、シネラマ画面いっぱいに使った画面はたいそうな見所(と言っても、テレビで観た私にはそれを言う資格無いだろうが)。しかし、主人公クラスが目白押しと言うことで、微妙な演技というのがなく、全てが直球勝負。クライマックスシーンばかりを詰め込むことになってしまった。こういう作品に微妙なものを求めてはいけないのだろう。一種のお祭りと思って観るが良し。オムニバスにした分、一話が短くなってるのも、クライマックス連発に拍車をかけてた感じだな。その分一話毎の物語自体の構造が非常に単純になってるのと、妙に間の悪い印象を受ける。

 それに価値観が今から見るともの凄く古くさい。当時のアメリカはあたかもフロンティア精神を持って無人の荒野を行く西部の男達に自分たちを模していたのではないか?かつてアメリカ大陸を征服(開拓では決してない)したように、今や世界も征服に乗り出せると考えていた時代の産物だ。最後の「新しい時代の叫びだ」という言葉は、どうにも性格の悪い私などは勘ぐってしまう。

(評価:★3)

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