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[コメント] アイガー・サンクション(1975/米)

本物にこだわりすぎると冗長になってしまう好例。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 イーストウッド監督作。監督と主演に加え、スタントなしの登山にもチャレンジしたことで有名となった。ただ、ここでイーストウッドがやりたかったのは映画ではなく、自分が山登りするのを撮影する事だったのではないか?と思われるほどに自己中心的な、ナルシスト趣味全開の話になってしまった。大体ストイックな殺し屋で女にもモテて、芸術にも造詣が深いキャラなんて、どう見ても完璧な“男の理想”とも言える訳で。確かに格好良いのはその通りなんだが、ここまでやると、なんか流石に引く。その割に女の色香にコロッと騙されるとか、ちょっと隙がありすぎ。これでよく裏社会で生き残ってきたものだ。

 それに物語がやや冗長。山に登る事に重点が置かれすぎた結果、本来のサスペンス部分がスポイルされてしまったし、本人が山に登ってるので、その姿が延々と映されていくのが長い事。

 その分大自然の景観をしっかりと映している、細かい所に演出の配慮が行き届いているので映像としては見応えのある作品に仕上げられてた。ジョージ=ケネディの存在感も良し。

 そう言う事でプラスマイナスゼロってところかな? 

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)おーい粗茶[*]

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