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[コメント] 2046(2004/中国=仏=独=香港)

実は観終えて既に3時間ほどが経過するのですが、映画途中で覚え始めた頭痛が未だ去ってくれません。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 予告では『イノセンス』っぽい感じがしていたのだが、あれ以上に分かりづらい作品だった(笑)

 うううう。なんだこれは?

 予告を観る限り、<2046>という物語が中心の物語となるのだと思っていたのだが、案に反し、トニー・レオン演じるチャウのクリスマスにまつわる物語が中心。そして登場人物が小説の中に出る。と言うだけで<2046>の物語が挿入されるのみ。

 それで日常生活が小説の方に投影され、どんどん小説がぐちゃぐちゃになる物語になるのかな?とか思ったのだが、実際は小説の方は見た目、微妙に変化があるのだろうが、全然変化がないように見えてしまう。

 むしろチャウという人物について、彼の女性に対する微妙な変化の方が本作では重要なはず。しかし、それも淡々と流れるばかりで、今ひとつ狙い目が分かりづらい。フランスのヌーヴェル・ヴァーグ調にしたのだろうけど、あれよりも全然物語に精細が欠ける。

 キャラはそれぞれ立っていたし、複雑な心境を巧く演出できていたのだが、これだけ盛り上がりの欠ける作品だと、それも今ひとつと言った感じ。

 ただ、演出に関してはもの凄いものがあった。<2046>という物語であれ、実生活であれ、そのほとんどが家の中だけで演出される。特に実生活においては、たとえシンガポールに行こうとも、香港であろうとも、街の外観が全くなく、存在するのは狭い部屋や廊下だけ。その中で行き詰まるようなドラマが演出されるため、妙に窒息感を覚え、不安を覚えさせる。狙ってやったのだろうが、これは本当に疲れる。2時間という時間がこれだけ長く、終わった瞬間ほっとした作品も珍しい。

(評価:★3)

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