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[コメント] ダーク・ウォーター(2005/米)

コネリーの起用はやっぱり狙った?
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







基本的に本作は『仄暗い水の底から』に忠実に作られており、物語として言うべき事はあまり無い。ひねりがなさ過ぎることと、母親が子供を救う物語はパターン化しつつあるか?と思えてしまう程度。そう言えば同年公開の『ザ・リング2』(2005)も話の筋は同じだったし。あまり怖く作ろうとしてないのも特徴か?

 ただ、流石ハリウッド。よく研究してる。と思わせるのが演出の巧さ。『仄暗い水の底から』の中田秀夫監督も巧かったが、息詰まるような演出は本作の方が上。密室の圧迫感と言い、何気なく見逃してしまう壁の模様が意味を持ち出すあたりの演出は感じがよく、いわゆるJ−ホラーに特有だった息苦しさまでしっかり演出してくれている。

 後はやっぱりコネリーの巧さに尽きるだろう。コネリーは今や実力派女優と目されているが、そもそも彼女を有名にしたのは『フェノミナ』(1984)の体当たり演技だった。久々のホラー出演のはずだけど、あの時の可憐さよりも、母としての強さをしっかり演じていた…そういえば髪の毛に絡み取られるシーンって、『フェノミナ』の蛆プールを思い起こさせるし、最後に幽霊を受け止めるシーンもやっぱり虫たちに「あなた達を愛してる」と言ってるシーンを彷彿とさせる。狙ったのかな?

 …と、言う訳で、怪談やホラー好きな人だったら、古い映画好きな人も新しい映画好きな人も楽しめる作品に仕上がってる。

(評価:★3)

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