[コメント] ゲルマニウムの夜(2005/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
花村萬月の純文学作品で芥川賞受賞作の映画化。
私が読んだことのある芥川賞受賞作の中には、純文学と言うよりは単なる露悪趣味じゃないか?としか思えないのがいくつかあり。そう言うのを読んでいて思ったことは、「文学が著者の心情の吐露を評価するのならば、変態が一番の文学家になるんじゃないのか?」。そのように感じたことが昔あった。
で、本作を観たとき、久々にそれを思い出してしまった。まさにこれこそ変態の園。観ている間中胸をこみ上げてくるものに悩まされ、観終わったころにはすっかり食欲を失った。私にとっては『ソドムの市』以上にきつい映画になってしまった。
まあ、ここだけは許していただき、本作を通して文学に対する文句を言わせていただこう。
同性愛や汚物愛好や獣姦のどこが文学だ!汚いものを観て喜ぶのが文学か?だったら私は一生文学なんぞ分からんでも良いし、分かりたくもない。大体それを全部画面に出す必然性なんてあるのかよ?観てる人間の大半はげんなりするだけだし、作り手の悪趣味にしか思えなくなる。
確かに私だって最後までは観たけど、観たこと自体を後悔したぞ。
「神への挑戦」というのがもしこの作品の根底にあるのだとしても、退屈なストーリー転換と男同士の変態的な睦ごとにしか目が行かず、根本的なテーマを考える気力を失わせる。映画としても失敗したとしか思えない。結果、訳が分からないだけ。分かる人もいるのだろうけど、分かろうと言う気力を根こそぎ奪い取ってくれたからなあ。ただ気持ちが悪いだけ。
私なりの結論。「これは変態的で気持ち悪いだけの映画。よほどディープにそう言う趣味を持ってる人でない限り、誰一人お薦めできない」。特に文学の入門のつもりで観るのだけは絶対に避けてほしい。
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