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[コメント] 朗かに歩め(1930/日)

小津監督らしからぬ作品…と初見ではそう思ったけど、実際よく考えてみると、これも小津らしさが溢れた作品なんだな。と気付きます。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 元々小津監督はアクション作品が非常に好きで、更に戦前はモダニズムに溢れた作品を次々と投入していった。

 実際そう思って観てみると、本作は後の邦画の主流となる任侠もののような泥っぽさがまるでない。むしろチャンドラー作品のようなおしゃれっぽさが全編に溢れている(後の石原裕次郎映画に通じるものもある)。この年監督は27歳。それでこの時代にここまでおしゃれな作品が作れた(だって満州出兵の時代だよ)ってだけでも充分凄い人だと思える。これはかなりの冒険だったと思うが、チャレンジ精神もあったんだね。

 監督作品にしては珍しく暴力が出るのも特徴と言えば特徴か。

 物語はいささか単純に過ぎるきらいもあるけど、最後でほっとさせるのは、かえって新鮮だった。

(評価:★3)

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