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[コメント] 森のリトル・ギャング(2006/米)

友情とか仲間意識をいくら描いてみても、やってることは単なる…
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 マイケル=フライとティ=ルイスの人気コマ漫画の映画化。

 アメリカのCGアニメーションは、爆発的人気を得た『トイストーリー』以降パターンがほぼ定着してる(さすがに大元のピクサーはいろいろ変えているけど)。パターンとして性格に難のある人物を主人公として、最初は周囲の人間に迷惑をかけっぱなしな主人公が、仲間を通じて友情をはぐくみ、性格が矯正されていく。それでもやっぱり一度仲間を裏切るのだが、最後に改心して受け入れられていく。

 確かに『トイストーリー』はその物語の流れれを確立した傑作ではあっても、以降の作品はあんまりにもパターンにはまり過ぎて、まるで魅力が感じられなくなってしまった。  そう意味で本作はまさにその典型的パターンにはまった代表作。個性を出そうとしてか、性格をきつくしたり、残酷性を増したりしてるが、それは根本的な間違いで、子供向きの作品のはずなのに、子供には見せたくないような、単に痛々しいだけの作品。食傷してるのに敢えてそれを投入するドリームワークスの考えはよく分からない。

 本作は元がコマ漫画だそうだが、漫画は風刺を込めるためにきつくしても良い。一方的に叩かれて笑われるキャラがいても良いし、いじめる人間の性格が変わらなくてもまったく問題もない。だが映画は物語を作らねばならないため、キャラクタの性格を変えていくことになる。そのねじれが中途半端さになってしまった感じがあり。

 それにいくら仲間だなんだとかいくら言っても、よしんば人間によって森を奪われた動物だからと言っても、やってることは単に泥棒だ。それを正当化しようともしないのは根本的な問題では?それに最初の熊は乱暴かもしれないけど、実態は単なる被害者ではないだろうか?

(評価:★2)

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