[コメント] レディ・イン・ザ・ウォーター(2006/米)
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シャマラン監督作品の魅力と言えば、勿論「あっ」というどんでん返しがあるだろう。だけど、実際に本当に意外な終わり方をしたと言えるのは『シックス・センス』くらいで、他の作品は帯に短したすきに長し。実際そんな力を込めて「良い作品だ」と言えるほどのものはない。だけど、それはそれとして、シャマラン監督の諸作品には、彼にしか出せない独特の雰囲気が存在し、それが妙に心地よいのだ。
本作は色々叩かれはしてるけど、実はその雰囲気が最も良く現れた作品なのではないかと思う。物語は、ファンタジックなものではあるにせよ、勘が良すぎるキャラクタたちのお陰であれよあれよと物語が進行し、いつの間にか終わってしまったという感じ。どんでん返しなど全く存在せず、逆にそれが煙に巻かれてしまった感じもあり。
決してそれが悪いとは言わない。いやむしろ、それらの演出のおかしさ加減が、他の監督には出せないシャマラン特有の不思議な雰囲気を醸してくれているのだ。言ってしまえば、シャマラン監督作品を観るというのは、シャマランの世界に入り込んで、どっぷりとその雰囲気に浸かっていればいいのだ。それが心地良いか悪いかはともかく。ちなみに私は結構心地よく浸かっていられるタイプ。50年代から60年代の古き懐かしいハリウッド映画をぼんやり眺めている気にもなる。過激さばかりが流行る現在の映画界にあって、こう言うのは貴重だよ。
それに現代とファンタジーをくっつけ合わせる場合、下手に説明をすると膨大な設定を語らせねばならないので、御伽噺にしてしまって単純化させたのは少なくとも間違いじゃないしね。
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