コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 我が家の楽園(1938/米)

ヴァンダーホフ(バリモア)にとって一番の趣味とは、何より人を愛すということなんだろう。そりゃ確かに生活は貧乏かも知れないけど、こういう笑いに溢れた家族を作るって言うのはやっぱり理想だよな。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 同じキャプラ監督の『オペラハット』同様この作品も設定が出来過ぎとか、ストーリー部分にも相当の甘さがあるとか、ご都合主義とか色々突っ込みたい部分は山ほどあるけど、なんだかバリモア演じるヴァンダーホフ見てるだけでなんだか許せる気分になってしまうから不思議。

 それに彼に絡むアーノルド演じるカービーの性格の対比が面白く、更に変人ばかり集まるシカモア一家の面々が皆とても魅力的。

 作品そのものは、大量生産時代に入ったアメリカ社会に対する強い風刺と、人間にとって本当に大切なものは?と言うキャプラ監督のメッセージ性に溢れた作品で、おおよそあり得ないストーリー展開や裁判の様子などがファンタジーに満ちた雰囲気を持っていて、観てるこっちまで夢心地にさせてくれる。あくせく働くことより楽しく人生を生きよう。と言うのはキャプラ監督だけじゃなく、チャップリンの『モダンタイムス』であれ、ワイルダーの『アパートの鍵貸します』であれ、ハリウッド映画のテーマでもあるようで、多くの良作を輩出している。

 自分がしたいことをして、みんなに愛されるヴァンダーホフの生き方はとても羨ましい気分にさせてくれる。なんだかとても幸せな気分にさせてくれたよ。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)モノリス砥石[*] りかちゅ[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。